法人化したフリーランスは、税金の種類が変わる

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フリーランスが法人化

フリーランスのなかには、将来の事業拡大や節税目的で法人化する方もいるでしょう。法人化した場合は会社となるわけです。そのため、納税すべき税金の種類が個人事業と大きく異なりますから注意が必要です。

ここでは法人化したフリーランスがどのような税金を納める必要があるか、詳しく解説していきます。

個人事業と法人では、税金の種類が変わる

個人事業と法人では、納める税金の種類が変わります。

株式会社や合同会社などを設立した場合は、税務署にも「法人設立届出書」を提出することが必要です。該当する場合、事業に関しては法人として税を納めることになります。

個人事業との違い

どの税金が課されるかについては、個人事業と法人で大きく異なります。

個人事業の場合、以下の税金が課されます。

  • 国税(所得税、消費税)
  • 地方税(住民税、個人事業税、固定資産税、国民健康保険税)

一方で法人の場合は、以下の税金が課されます。

  • 国税(法人税、消費税)
  • 地方税(法人住民税、法人事業税、地方法人特別税、固定資産税、都市計画税)

個人としての税金は別途納付が必要

フリーランスが法人となった場合、本人は会社から報酬を受け取る形になります。従って以下に示す「個人にかかる税金」は、法人になっても支払わなければなりません。

  • 所得税
  • 都道府県民税・市町村民税
  • 国民健康保険税
  • 固定資産税(私用の車や土地・持ち家などがある場合)

但し所得税や住民税、固定資産税の納税額は、個人事業の場合と比べて低額となります。

国に納付する税金

税金といえば税務署

法人の場合も、国への納税が必要です。国に納める税金は法人税と消費税があります。

法人税

フリーランスが法人化した場合、資本金は1億円以下がほとんどとなるでしょう。この場合は中小法人の扱いとなり、法人税率は以下の通りとなります。

  • 2019年3月31日までに開始される事業年度:15%
  • 2019年4月1日以降に開始される事業年度:19%

但し所得が800万円を超える部分については、税率が23.2%となります。

法人税額は課税対象所得について、上記で定められた法人税率をかけて求めます。

消費税

フリーランスが法人化した場合、売上高は1,000万円に届かない場合も多いでしょう。この場合は消費税が免税となりますので、納税は不要です。

地方自治体に納付する税金

税金は国だけでなく、事務所や事業所等(以下、事業所等と略)のある地方自治体にも納付が必要です。地方自治体が課税する税金には、大きく分けて以下の4種類があります。

  • 法人住民税
  • 法人事業税
  • 地方法人特別税
  • 固定資産税・都市計画税

法人住民税

法人も個人と同じように、事業所等のある自治体に対して住民税を支払わなければなりません。法人住民税はさらに、以下の2つに分かれています。

  • 法人都道府県民税
  • 法人市町村民税

法人住民税は、所得に応じて支払う「法人税割」と「均等割」を合計した額です。赤字決算の場合は、均等割のみ支払うことになります。

フリーランスで起業する場合は、資本金が1,000万円以下、従業員は50名以下というケースが多いでしょう。この場合の税額や税率について、都道府県と市町村に分けて解説します。

なお法人都道府県民税・法人市町村民税とも、2019年10月1日以降に開始の事業年度からは、税率が2%~4%程度引き下げられることになっています。

法人都道府県民税

法人税

法人都道府県民税の均等割額と法人税割の税率は、以下の通りです。

  • 均等割:20,000~22,000円
  • 法人税割の税率:3.2%

但し東京23区に事業所等を置いている場合は、市町村民税の部分も含めて東京都に納税します。このため、均等割や法人税割は以下の通りとなります。

  • 均等割:70,000円
  • 法人税割の税率:12.9%

詳しい金額等については、事業所等のある都道府県のWebサイトなどで確認してください。

法人市町村民税

東京23区以外の場所に事業所等を置く法人は、市町村に法人市町村民税を納める必要があります。法人市町村民税の均等割額と法人税割の税率は、以下の通りです。

  • 均等割:47,500円~60,000円
  • 法人税割の税率:9.7%~12.1%

均等割や法人税割の金額は市町村により異なります。詳しくは事業所等のある市町村のWebサイトなどで確認してください。

法人事業税

法人事業税は所得のあった法人に対して、事業所等のある都道府県が課す税です。法人化したフリーランスの場合、税率は所得によって異なり、以下の通りとなっています。

  • 年400万円以下の部分 3.4%
  • 年400万円を超えて800万円以下の部分 5.1%
  • 年800万円を超える部分 6.7%

また2018年10月1日から開始された事業年度では、次に解説する「地方法人特別税」が廃止されます。これにより法人事業税は、以下の税率に変わります。

  • 年400万円以下の部分 5.0%
  • 年400万円を超えて800万円以下の部分 7.3%
  • 年800万円を超える部分 9.6%

地方法人特別税

地方法人特別税は国税ですが、納付先は都道府県という税金です。これは、地域間の税収の格差を是正することを目的としています。フリーランスが法人化した場合、税率は法人事業税額の43.2%となっています。

また地方法人特別税は、2019年10月1日以降に開始された事業年度では課されません。

固定資産税・都市計画税

法人が事業に用いるための固定資産を持っている場合は、固定資産税がかかります。一般的に以下のどちらかに当てはまる場合は、固定資産として扱われます。

  • 購入額が30万円以上の場合
  • 購入額が30万円未満で、固定資産として償却することを選んだ場合

従って固定資産の対象となる品目は土地や建物、車だけではありません。事業で使う機器やパソコンなど、上記に示した金額以上の物品ならば対象となります。

税率は1.4%となっています。また固定資産の価値は年々減少するため、新たに固定資産を購入しない限り、税額も年を追うごとに減少します。

なお法人の場合は個人事業と異なり、法人名義で所有しているものが対象となります。従って社長が持ち家を持っていても、法人が所有する固定資産の価値が150万円未満の場合は課税されません。この場合、持ち家については社長個人に対して固定資産税が課税されます。

一方で法人名義の土地や建物を持っている場合、その価値が下記に示す金額以上になると固定資産税がかかります。

  • 土地の場合は30万円
  • 建物の場合は20万円

また土地や建物が市街化区域内にある場合は、都市計画税として別途0.3%が課税されます。但し税率は、自治体により異なります。

納付方法および納付時期

法人の場合、税の納付方法及び納付時期はそれぞれ異なります。どのような方法でいつ納税すべきか、それぞれについて解説します。

法人税・消費税

法人税や消費税は事業年度終了の日から2ヶ月以内に、税務署へ申告の上納付します。

法人都道府県民税、法人市町村民税、法人事業税、地方法人特別税

法人都道府県民税、法人市町村民税、法人事業税、地方法人特別税は、自ら申告して納付します。

納期は事業年度終了の日から2ヶ月以内です。また納付先は税の種類により、以下の通りとなります。

・都道府県:法人都道府県民税、法人事業税、地方法人特別税
・市町村:法人市町村民税

申告用紙は自治体から送付される場合もありますが、自ら作成して納付することが基本です。なかでも自治体のWebサイトからダウンロードして金額等を記入し、現金を添えて提出する方法が便利です。

固定資産税・都市計画税

固定資産税や都市計画税は、事業所等のある自治体から納付書が送られてきますので、それに従って納付することになります。

納付書の送付時期は自治体により異なりますので、Webサイト等で確認してください。

まとめ

スタートアップ

ここまで、法人化したフリーランスが納めるべき税金の種類を解説してきました。国に対する税金の計算は、個人事業よりもシンプルになります。一方で地方自治体への税は個人事業の場合と異なり、自ら計算して納税しなければならない点に注意が必要です。

個人事業の場合と同じく、法人でも節税が重要です。経費や控除額を漏れなく計上し、正しく節税しましょう。

参考:
【法人税】
国税庁
No.5100 新設法人の届出書類
No.5759 法人税の税率
申告と納税

Money Forward「法人税の計算方法を正しく理解していますか?意外とシンプルな法人税の計算」
Freee「法人税の納付期限・納付方法を公認会計士がわかりやすく解説」

【法人都道府県民税、法人市町村民税、法人事業税、地方法人特別税】
総務省
法人住民税の概要
法人事業税の概要
平成30年度 法人住民税・法人事業税 税率一覧表

東京都
法人事業税・法人都民税
都税の支払い方法について
地方法人特別税
【法人都民税】Q1法人都民税・市町村民税とは。
均等割額の計算に関する明細書

京都府
法人府民税・法人事業税の税率改正及び地方法人特別税の廃止について(平成31年10月1日以後に開始する事業年度)
法人事業税等の税率

千葉県「地方法人特別税(国税)が創設されました」
愛知県「納付書(法人県民税・事業税及び地方法人特別税)」

小平市「法人の住民税(申告・納付)」
小平市「法人市民税の税率改正のお知らせ」

刈谷市「法人市民税納付書 記入例」

freee
法人税・法人事業税・法人住民税の違いをわかりやすく解説|経理・税務の基本知識
現役税理士が法人住民税の概要と計算方法をわかりやすく解説|計算例つき

【固定資産税】
総務省「固定資産税制度について」
東京都「固定資産税(償却資産)」
柏市「償却資産に対する課税のしくみ」
袖ケ浦市「固定資産税・都市計画税」
freee
「一括償却資産・少額減価償却資産・固定資産の違いを徹底解説|経理・税務の基本知識」
Bizer
「これでスッキリ!償却資産申告書の書き方をわかりやすく解説します」

最終更新日:2019-03-25
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